こんにちは。みらいです♪
私は幼児の生徒もコンクールに出していますが、幼児部門(年長までの部門)の仕上げ方でいつも迷いが出るところがあります。
それは、「今にしか表現出来ない子供らしさをどこまで残すか」です。
ピアノって特に女性には多いのですが、大人になるにつれて「演技すること」が上手になるんですよね。(良くも悪くもです)
人生経験が豊かになるほど「感情」も表現出来るようになり、「素直に弾く」ことが意外と難しくなってくるんですよね。
一方、年長までの子供は簡単な曲でも、楽譜の音を上手に出すんですよ!
雑念がなく、1つ1つの音が無邪気で明るく、何もしなくても「楽しい音」になるんです。(ピアノを純粋に楽しんでる音)
コンクールの審査員の先生も、幼児部門の全体コメントでは「子供にしか出来ない表現と音があるんですよ」とお話されることはどのコンクールでもよくあります。
私は講師になりたての頃は「それがいいことなのか」がよく分からなかったのですが、今では絶対に「いいこと」だと分かります。
大人には真似出来ない「楽しい無邪気な音」を幼児は出せるんですよね。
しかし、コンクールでは幼児部門でも「無邪気さ」だけでは勝てません。
- 拍子感
- テンポ感
- 強弱などの音量の変化
- 曲の解釈
- テクニック面
ざっくりと書いて上記のことは幼児部門でもしっかりとやらなければいけません。
ですが、大人が弾くような「型にはめこんだ演奏」は一気に子供らしさという長所が失われてしまいます。
音楽の最低限のルールはやりつつも、子供らしさをどこまでキープさせて本番に持っていくか。。
いつもこのギリギリのラインで「この子の場合はどう仕上げていこうかな」と悩みます。
大人の理想の演奏を押し付けると、特に幼児の場合は「演技する練習」が嫌になり曲が嫌いになってしまう可能性も高いのです。
やっぱり子供って素直なんですよね。
子供と大人では見えている景色が全く違いますから、うっかり「表現をおしつける」ことのならないように、気をつけなくてはいけないなと感じます。
幼児でコンクールに出ることは賛否両論ありますが、私は間違った方向にいかなければ、幼児でコンクールに出場することはとても良いことだと思います。
発表会にはない楽しさや目標の組み方、舞台での緊張感・・そして、充実感。コンクールでしか味わえない楽しさが確実に存在するからです。
小さな子供は好きで楽しい曲はずっと弾いていられますが、飽きたり嫌になったりすると一気に弾かなくなることはよくあります。
「飽きて練習しなくなる」ことが家族のストレスになり、子供のストレスになり悪循環をうむので、声かけや練習方法を上手に工夫しないと、幼児でのコンクール挑戦は本当に大変だとは思います。
子供が曲にうんざりしてくると、それが音にも表現にも現れてくるので、「いい方向で子供らしさを残す演奏」は色んな方面から講師もしないといけないなとつくづく考えさせられます。